課題
2020年7月、「筑波大学三郡食堂の撤退」は我々学生を大きく驚かせた。
コロナの影響により、全国の多くの飲食店で経営が悪化した。
これ以上筑波大学から学食をなくしたくないという思いから、私たちの目標は
“二学食堂の経営状況を改善する”
に決定した。
データ
目標を達成するために、「デリバリー」と「サブスクリプション」の案が出た。
「デリバリー」は輸送、注文システムの整備コストがかさむことから却下された。
「サブスクリプション」は初期コストが低く、経営者にまとまった収入が入ることから、我々は「サブスクリプション」の提案をすることにした。
また、新型コロナウイルス流行下において安全性の確保は必要不可欠である。
経営状況の改善のためには集客が必要であるが、その結果密が発生してはいけない。
そのため、我々は「混雑解消のための提案」も行う。
売り上げも増やしたい、けれど密集してはいけないというジレンマに対処する必要がある。我々は提案に向けて次のような調査を実施した。
<料金プラン立案のための調査>
- ヒアリング調査
目的: 営業実態の把握 - 学内アンケート調査
目的: 現状の把握、サブスクの需要調査 - 観察調査
目的: 現状の把握
<混雑解消のための調査>
- 観察調査(3回)
目的: 現状の把握 - 学内アンケート調査
目的: 提案による効果の測定
分析
<料金プラン立案のための調査>
- ヒアリング調査
媒体: メール(筑波大学学生生活課厚生係を経由) - 学内アンケート調査
媒体: Microsoft Forms
対象: 筑波大学の学群生、院生、教職員計258名
日時: 10/26~11/8
内容: 調査対象の属性(性別、学年、所属、一人暮らしであるか)
新型コロナウイルスが流行する前後で2学食堂での利用頻度
サブスクへの興味があるのか、希望するサブスクの利用頻度
提案するサブスク仮プランに対する需要 - 観察調査
場所: 二学食堂
日時: 10/28、29(10:30~16:00)
内容: 1時間ごとの利用者人数
<混雑解消のための調査>
- 観察調査(1)
場所: 二学食堂
日時: 11/19(11:00~15:00)
内容: 座席の混雑度調査 - 観察調査(2)
場所: 二学食堂
日時: 11/19(11:30~13:30)
内容: 1人当たりの会計時間調査 - 観察調査(3)
場所: 二学食堂
日時: 12/10(11:30~14:30)
内容: レジに到達するまでにどの程度密が発生するか - 学内アンケート調査
媒体: Microsoft Forms
対象: 筑波大学の学群生、院生、教職員計180名
日時: 12/2~12/10
内容: 現在の2学食堂の利用時間
混雑回避案(オフピークでの値引き、サブスクの1食上限金額の撤廃)に対する効果
結果
<料金プラン立案のための調査>
- ヒアリング調査
学生生活課より2019年度の売上、一日の利用者数を教えていただくことができた。
- 学内アンケート調査
主な結果は以下の通りである
この他にも学生に月7,000円は高い、回数券方式の方が使いやすいといった意見があった。
- 観察調査
結果は以下のとおりである
以上の結果をもとに利益の計算式を立案した
<混雑解消のための調査>
- 観察調査(1)、(2)
結果は以下のとおりである
- 観察調査(3)
結果は以下の通りである
(3)の調査ではお盆を持つところからレジ前のスペースが、ピーク時には密集してしまうことが分かった。
以上から、ソーシャルディスタンスを保つことができる最大の人数が12人であると定義した。
- 学内アンケート調査
混雑解消の案は①オフピーク時の値引き、②サブスクの一食上限金額の引き上げの2種類である。
主な結果は以下のとおりである
提言
最終的な「サブスク導入案」は以下の通りである。
混雑解消のための「オフピーク制度の導入案」は以下の通りである。
これらの最終提案・今後の展望を二学食堂の責任者に聞いていただいた。
提案を聞いた感想としては「値段を下げたり、サブスクのような定額制度を導入することは難しい」ということである。
お話によると近年では「学生の学食離れ」が進んでいるようである。
料金体系の提案の前に、集客自体の提案することも有効であると感じた。
レファレンス
参考文献
1)小嵜 秀信、サブスクリプションビジネスの発展―所有から利用へ向かう消費者とビジネスモデルの転換期―(2020年)
2)滋賀県立大学 ミールシステム
https://www.usp-seikyou.com/new-comer/e_money/022031.html
3)飲食店.COM.「2020年5月の経営状況」に関するアンケート調査
https://www.inshokuten.com/research/result/208
ご協力いただいた皆様
二学食堂 責任者 様
シェフ・黒岩 様